前回は暑い夏の対処法~熱中症と対策のまとめ~についてお話ししました。
今回のHELCON -Health Consult-は、湿球黒球温度(WBGT: Wet Bulb Globe Temperature(別名:暑さ指数))についてお話しします!
私たちがからだで感じる温度(体感温度)は、気温だけではなく湿度や風速の影響も受けます。
このうち、特に重要なのが気温と湿度です。湿度が高いと汗の蒸発が抑制されてからだに熱がこもりやすくなります。
そこで、気温を湿度で補正した湿球黒球温度(WBGT)を暑さ指数として熱中症のリスクを評価するのに活用します。
日本生気象学会が、気温と湿度からWBGT値を求められるように換算表を公表しています。

日本生気象学会: 日常生活における熱中症予防指針 Ver.4, 2022より
よくご高齢の方のご家族から親御さんが夏場なのに寒いといってエアコンをoffにしてしまうと相談を受けます。同じ気温でも湿度を下げると10度近くWBGT値は改善できますので、気温を下げるのが難しい場合には除湿を試すのも良いかもしれません。
こちらは、屋内用の換算表なので屋外では乾湿計と湿球温度計を用いてWBGTを算出しています。

2022/5/23
「日常生活における熱中症予防指針」Ver.4より
WGBT換算で28℃以上の場合、熱中症のリスクが高いと報告されていて激しい運動は控えることが推奨されています。10-20分おきに休憩をとることや適切な水分や塩分の摂取が望ましいです。31℃以上では、特別な事情がない限り運動は中止しましょう。
(参考)おすすめの栄養補助食品 ~食べられないときに自宅でできる対策~

そうはいうものの、普通家庭でWBGT値を測ることはできません。でも大丈夫。
環境省が熱中症予防情報サイトで日本全国のその日のWBGT値を公開してくれています。それを確認すれば、自分の所在地おおよそのWBGT値を知ることができます!

(環境省 熱中症予防情報サイトより)




外出前や屋外作業前には、これらの情報をチェックして危険度の高い時間帯を避けるようにしましょう。最近は家庭向けの小型のWBGT値測定器も販売されているのでそれらを使用すれば、リアルタイムでより詳しいWBGT値を確認することもできます。小さいお子さんやお年寄りの方にはこちらもおすすめしたいですね。興味のある方はこちらもご覧ください!
職場・屋外作業での暑さ対策:労働環境の管理(参考)
夏場に外で作業する人や工場・現場の労働者の方も熱中症に注意が必要です。企業や事業者に対しては特に組織的な対策が義務付けられています。以下に主なポイントをまとめます。現実的に難しいものも多いかもしれません。予算や人員との兼ね合いを踏まえて可能なものから取り組まれてはいかがでしょうか。
- 作業環境の整備:高温多湿の作業場では、機械の排熱や直射日光から遮へい物や簡易屋根を設ける、周囲の壁や地面からの照り返しを防ぐ遮熱シートを使うなどでWBGT値を可能な範囲で下げることが重要です。扇風機や換気扇で通風を良くし、室内には可能な限りエアコンや除湿機を設置します。屋外作業場には大型扇風機、ミスト扇風機、冷風機を導入するのも効果的です。最近はミニ空調付きの作業着も一般的になってきました。
- 休憩場所の確保:現場近くに冷房のある休憩室を用意し、横になって休めるようにします。休憩所には氷や冷たいタオル、冷水やシャワーなど、体をすばやく冷やせる設備・備品を備えておきます。また、休憩時にはスポーツドリンクやOS-1を含む飲料を自由に飲めるよう配慮し、冷蔵庫で冷やしておくと効果的です。
- 作業管理:作業時間を短くし、こまめに休憩を挟みます。特に体力仕事や屋外作業では、連続作業時間を抑え、高強度作業は避けるようにします。夏の始まりや長期間休暇明けで急に暑さに晒される場合は、暑熱順化(馴化)期間を設け、1週間程度かけて徐々に作業時間を延ばすことで身体を暑さに慣らすことが推奨されています。例えば新入社員や夏休み明けの従業員は初めは短時間から開始して徐々に勤務時間を延ばす、夜勤から始めて後ほど日勤に切り替えるなど、からだを暑熱環境に慣らすための期間を計画的に取り入れます。
- 健康管理:定期健康診断で糖尿病や高血圧、心疾患などの有無を確認し、異常があれば産業医や主治医の指導に従って作業を調整します。日々の健康管理では、睡眠不足や二日酔い、風邪の症状がないか労働者自身、同僚同士、上司が確認し、救急搬送となってしまいますと人命にかかわっては大事になってしまいますし結局作業効率も下がってしまうので体調不良時は無理に作業させないことが大切です。
- 服装・保護具:作業服は透湿性・通気性の良い素材を選び、明るい色で熱を吸収しにくいものにします。ヘルメットには通気孔を設けたり、夏用の吸汗性ライナー(汗取りシート)を入れると良いでしょう。屋外作業では遮熱素材の日よけ付作業服や冷却ジェル内蔵ベスト、クールスカーフなどの冷感ウェアの活用も進んでいます。
- 巡視・連携:現場では管理者が巡回して労働者の様子を見守り、異変に気づいたらすぐ対応します。複数名で作業する場合は、お互いに相手の異常を確認し合う態勢を整えましょう。もし熱中症の初期症状が疑われたら、ただちに作業を中断させ、涼しい場所で休ませます。重症が疑われる場合はためらわず救急車を呼びます。
労働安全衛生法では、WBGTが28℃以上(気温31℃以上)で「連続1時間以上または1日4時間以上活動する」場合は熱中症の高リスクと位置付けられています。その場合は事前に報告体制や作業手順を文書化、関係労働者への周知することなどが義務化されています。従業員を暑さから守るためにも、企業・事業所もガイドラインに基づいて、現場の環境と作業計画を管理していくことが重要です。必要に応じて企業産業医や社労士の先生たちともご相談下さい。
こちらのページへリンクをより簡単に取得できるようにQRコードを作成しました。勉強になると思ったらお知り合いにも是非紹介・共有してみてください。



コメント