こんにちは、HELCON -Health Consult-です。ここでは体に必要な栄養に関して種類別に説明していきます。
はじめに
私たちの体は新陳代謝を行い、常に古い細胞を新しい細胞に置き換えています。そのため、健康を維持するには必要な栄養素を日々摂取し続けることが重要です。つまり、自分の体をきちんとメンテナンスして健康な状態に保つためには、必要な素材(栄養)を日々摂取し続ける必要があるのです。これは子供でも大人でも、若者でもお年寄りでも変わりません。本記事では、一般的に「5大栄養素」と呼ばれるものに加え、人体にとって最も重要な「水分」についても詳しく説明します。では、さっそく見ていきましょう。
水分の重要性
成人の体の約60%は水分で構成されています。筋肉や内臓にも含まれており、血液の成分としても重要な役割を果たします。人の体は水なしでは成り立ちません。水分不足でめまいやふらつきを覚えた経験のある方も多いでしょう。もし水分が不足すると血液量が減少し、脳への血流が悪化することで、めまいやふらつきを引き起こします。5大栄養素にこそ含まれていませんが、健康な生活を維持するのにもっと重要なものになりますので一番最初に紹介します。
水分が不足すると血液の量も減少しますので、脳への血の巡りが悪くなってめまいやふらつきを引き起こします。これがよく言う『脱水』という状態ですね。
一方で、”私『貧血』なんです。”というフレーズを耳にすることもあります。『脱水』と『貧血』は使い分けがあいまいになりがちですが、医学的には、血液のうち本体部分 (ヘモグロビン: 血液の赤みの成分)が不足している状態を『貧血』、血液のうち水分 (溶液)が不足している状態を『脱水』と呼んで区別してます。
まとめ:「脱水」と「貧血」は医学的に異なるものだが、混同されやすい!
- 脱水:血液中の水分が不足している状態
- 貧血:血液の本体部分(ヘモグロビン)が不足している状態
なんでかというと必要な治療が違うからです。
まず、『脱水』なら水分補充が治療になります。ただ、もし『貧血』の場合には水分補充だけを行っても症状は改善しないです。『貧血』では、血の本体部分(ヘモグロビン)が足りていないので、鉄分を補給する必要があるというわけです。
ヘモグロビンを増やすための治療は、軽症の場合は鉄剤の内服が第一選択です。より重症の場合では鉄剤の注射や輸血を選択します。例えば、女性の方で生理の量が多かったり、食事での鉄分の摂取が不足していて『貧血』になっている場合では水分の摂取よりも、鉄分の補充や背景に婦人科疾患が隠れていないか検査を行うなどが重要になってくるわけです。正しい治療方法を選択するためにも『脱水』と『貧血』の区別は大事なんですね。
『脱水』と『貧血』が混同されやすい理由の1つに、出血を伴う疾患 (例: 消化管からの出血)では、水分とヘモグロビンの両方が同時に失われるので、『脱水』と『貧血』が同時に起こりやすいということが挙げられます。また、脳へ酸素を運ぶ力が低下することでめまいやふらつきを生じるという点は『脱水 (血液中の水分が不足している状態)』と『貧血 (血液中のヘモグロビンが不足している状態)』の間で共通しているので、ふらつきの症状だけではこの2つを一見区別しづらいということも関係しているかもしれません。
実際、この2つが合わさって起こっていることは珍しくはありませんが、『貧血』に関しては血液検査の”ヘモグロビン”という項目の数値で確認が可能なので採血をすることで比較的簡便に確認ができます。逆に『脱水』を客観的に確定できる血液検査はありません。参考にできる程度の検査項目はいくつかあるのですが、あくまで『脱水』を判断するのに番大事なことは、本人や周りのひとから正確な情報を聞き取ることになります。
具体的には、食事の摂取量、暑熱下での活動や下痢症状、多尿症状などの体外への水分排出量、粘膜や皮膚の乾燥状態、ここ数日間の体重の変化といった問診や身体診察の情報になります。水分不足ということが判明すればまずは口からの水分摂取を促します。飲むのが難しい場合には点滴をして、水分を補充します。心不全など普段から水分制限が必要な基礎疾患をお持ちの方の場合でも、『脱水』が明らかな場合には水分補充を優先しますが、水分過剰にならないようより細心の注意を払います。
ここまで水分不足で『脱水』になり、めまいやふらつきを起こすということをお話してきました。これは血管内が『脱水』になるためで、専門用語で『血管内脱水』と呼びます。
ここでみなさんに質問です。血管内に存在する水分は、体全体の水分の何%くらいでしょうか。
実は10%にも満たないと言われています。先ほど体の中の水分の割合が60%ほどとお伝えしました。このうち40%は細胞の内にある水分で、残り20%が細胞の外の空間にある水分です。この20%のうちおおよそ5%分が血液中の水分として役割を担っています。残りの15%は間質液という液体成分中に存在していて血管と細胞の間の栄養の橋渡しを行っています。けがをしたときにジュクジュクした黄褐色の液体が傷口から出てくることがありますが、それが間質液です。
このように、血管内の水分は体全体の水分のほんの一部なので、水分をとってもすべてが血管の中に向かってくれるわけではありません。そこで登場するのが塩化ナトリウム、食塩です。体の中には様々な種類のミネラルが含まれていますが、体の仕組みでナトリウムは細胞内よりも細胞外に非常に高い濃度で分布するようになっています。少量の食塩を水と一緒に摂取すると、摂取したナトリウムの大半は細胞の外、間質液や血管の内、に取り込まれます。すると細胞外の液体が濃くなる (正しくは浸透圧が高くなる)ので、摂取した水分も優先的に細胞外 (血管内)に取り込まれるようになるのです。運動中に水ではなく、塩分がバランスよく含まれたOS-1などの飲料が勧められるのはこういった理由からです。
体の中での水分の役割と脱水時の対策についてお話してきました。『脱水』は早期に対応すれば大事になることは稀ですが、体重が大幅に減ってしまうまで様子を見ていると体力が落ちてしまったり、時に入院治療が必要になってしまったり、稀に血圧が下がって命に関わったりすることもあります。ご存じのように夏場は特に酷暑で脱水になりやすいです。また、冬場も暖房の使用で屋内の空気が乾燥するため脱水を起こしやすい季節として知られています。空気の乾燥のため汗がすぐ蒸発してしまうためですが、逆に汗でべたつくことがあまりないので脱水に気づくのが遅れがちです。
読者の皆さんも体調に気を付けてお過ごしください。
5大栄養素の役割
1. 炭水化物(糖質)
炭水化物(糖質)は、体の主要なエネルギー源です。摂取が不足すると低血糖状態になり、脳や心臓の機能が低下する可能性があります。主な食品源には、米、パン、麺類、イモ類などがあります。
からだの活動を維持するために水とともに欠かせないのが炭水化物(糖質)です。ごはんやパン、麺類、イモ類などが該当します。体を動かすにはエネルギーが必要になるのですが、その主な供給源が炭水化物(糖質)というわけです。
炭水化物(糖質)の摂取が不十分だと、体内でエネルギー源が不足し、体調に不調をきたします。医学用語で『低血糖』と呼ばれていますが、これをずっと放置していると脳や心臓などの重要臓器にもエネルギー源を供給できなくなり、意識障害や胸痛・動悸を生じて命に関わることになります。
食事内容のうち、ごはんやパン、麺類、イモ類などの炭水化物(糖質)を主食と呼びますが、これは炭水化物が生命活動の維持にとって必要不可欠なことを反映しています。
2. 脂質
脂質は、炭水化物よりも効率よくエネルギーを蓄えることができる栄養素です。1gあたり9kcalのエネルギーを供給し、ホルモン合成や細胞膜の構成にも関与します。ただし、摂取過多は脂肪肝や動脈硬化のリスクを高めるため注意が必要です。
エネルギー源としての炭水化物(糖質)の話をしましたが、食事はいつでも摂取できるとは限りません。十分な量のエネルギー源を摂取できなかった場合に備えて、からだはエネルギー源を蓄えようとします。ただし、蓄えるならできるだけ効率の良いエネルギー源を蓄えにしたいわけです。
そこで登場するのが脂質です。脂質は炭水化物(糖質)よりも少ない重量(グラム(g)数)でより多くのエネルギーを生み出すことができます。炭水化物(糖質)は1g当たり4kcalしかエネルギーを生みませんが、脂質は1g当たり9kcalと倍以上のエネルギーを生んでくれます。
よく肥満の原因として悪者扱いされる脂質(皮下脂肪や内臓脂肪)ですが、飢餓に陥った際には効率的なエネルギー源として私たちの生命を守ってくれるわけです。もし、同じエネルギー量を炭水化物(糖質)として蓄えようとするとより多くの重量が必要になってしまいます。
と言っても中性脂肪やコレステロール値が上がって脂肪肝や動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)の原因にもなってしまうので摂り過ぎには注意したいですね。
ちなみに何カ月も脂肪を全くとらないと肝障害の原因になってしまうので、日々の生活で最低限の摂取はきちんと行うことが望ましいです。
3. タンパク質
タンパク質は、筋肉や臓器、ホルモンの材料となる重要な栄養素です。食事から十分なタンパク質を摂取しないと、筋肉量が減少し、体力が低下するリスクがあります。主な食品源には、肉、魚、卵、大豆製品があります。
からだにとって炭水化物(糖質)がエネルギー源、脂質が保存食とすると、からだがエネルギーを使って動かす筋肉を作るために欠かせないものが蛋白質です。蛋白質は炭水化物(糖質)や脂質と違って窒素を含んでおり、これが筋肉を生み出すために欠かせないものになります。
つまり、どれだけ炭水化物(糖質)や脂質を摂取しても筋肉は作り出せないわけです。蛋白質を取らない状態で炭水化物(糖質)と脂質だけを摂って過ごしていると新しい筋肉は生まれない一方で新陳代謝で古い筋肉は壊されてしまうので筋肉量が減って悪い意味での痩せを引き起こしてしまいます。
これは、ご高齢の方が体調を崩して食事を十分にとれなくなった時に特に注意すべきです。
体調を崩したときに診療所や病院で根本的な治療の他に点滴を受けることがあると思います。
一般的な点滴には水分とブドウ糖(炭水化物(糖質))に加えてナトリウムやカリウムなどの一部のミネラルだけが含まれていて、蛋白質は含まれていません。そのため、点滴をしているから食べないでも大丈夫と思っていると蛋白質が不足しがちになり筋肉量が減って体力も戻り方が鈍くなる可能性があります。必要な蛋白質を取らない状態が続くと寝たきりになるリスクが高くなってしまうので要注意です。
たしかに、数時間~数日単位では不足している水分や炭水化物(糖質)を補給することはとても大切です。しかし、一方で数週間や1か月以上のより中長期的な視点で考えたときには体力を保つためにも筋肉量を維持できるように蛋白質を十分量摂れるようにしていくことが非常に重要なテーマになってきます。
ここまでで、水分と炭水化物(糖質)、脂質、蛋白質の話をお伝えしました。水分以外の炭水化物(糖質)、脂質、蛋白質は、からだを形作って動かす必要不可欠なものですから、3大栄養素と呼ばれています。さらにビタミンとミネラルを加えると5大栄養素と呼ばれるグループになります。
それでは、ビタミンとミネラルの話に移ろうと思います。
4. ビタミン
エネルギー源となる炭水化物(糖質)と脂質、筋肉の下になる蛋白質を除いた有機物のうち人が生きていくために欠かすことができないものをビタミンと呼びます。
ビタミンのほとんどは体内で作り出せないため、栄養として食事や点滴を通して体内に日々補給する必要があります。ビタミンは、体の代謝や成長に不可欠な栄養素です。以下の2種類に分類されます。
水溶性ビタミン(尿中に排泄されやすい)
- ビタミンB群(エネルギー代謝、神経機能の維持)
- ビタミンC(抗酸化作用、コラーゲン合成)
脂溶性ビタミン(体内に蓄積されやすい)
- ビタミンA(視覚や免疫機能の維持)
- ビタミンD(骨の健康維持)
- ビタミンE(抗酸化作用、細胞膜の保護)
- ビタミンK(血液凝固、骨形成の促進)
消化管からの吸収効率や一度摂取したビタミンが体内に貯蔵されやすいかについて、水に溶けやすいか、油に溶けやすいかで大きく影響を受けるので、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンで分類されるのが一般的です。
それぞれのビタミンの役割と不足や摂りすぎによっておこる影響については以下のページで説明しています。
5. ミネラル
最後にミネラルについて説明しようと思います。ミネラルは5大栄養素のうち、唯一の無機物です。ほかの4栄養素(炭水化物(糖質)、脂質、蛋白質、ビタミン)はすべて炭素を含む有機物のカテゴリーです。
ミネラルは、体の構造形成や生理機能の維持に不可欠な無機質です。ビタミン同様に直接エネルギー源になるわけではないですが、体内の生命活動を支える重要な栄養素です。食塩の成分のナトリウムや塩素、骨の成分のカルシウムやリン、血液の成分の鉄などが有名です。ほかに、カリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、セレンなど多数の栄養素を総称してミネラルと呼びます。
- ナトリウム(体液バランスの調整)
- カルシウム(骨の形成)
- 鉄(赤血球のヘモグロビン合成)
- カリウム(神経伝達、筋肉機能の維持)
- マグネシウム(酵素の活性化、神経機能の維持)
それぞれのミネラルの役割と不足や摂りすぎによっておこる影響については以下のページで説明しています。
まとめ
水分と5大栄養素は、健康を維持するために欠かせない要素です。特に水分不足は脱水を引き起こし、生命活動に大きな影響を及ぼします。バランスの良い食事と適切な水分補給を意識し、健康的な生活を送りましょう。
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