【食欲不振の原因の調べ方】検査方法を詳しく解説!

水分と栄養

前回のHELCON -Health Consult-では、食欲不振の原因を一覧にしてご説明しました。

今回は原因を究明するためにどのような情報収集や検査が行われるかについてお話ししようと思います。

食欲不振の原因は? どんな検査を受けるべき?

「最近食欲がない」「食事量が減っている」と感じたとき、何が原因なのか不安に思う方も多いのではないでしょうか?

食欲不振にはさまざまな原因があります。軽い体調不良から重大な疾患まで、考えられる要因は多岐にわたります。本記事では、食欲不振の原因を特定するための診察や検査方法について、詳しく解説していきます。

1. 問診と身体診察

まず、診察では以下の情報を詳しく確認します。

  • 感染症や消化管疾患、がん、薬の副作用 などの可能性
  • 既往歴・家族歴(基礎疾患や遺伝的なリスクの有無)
  • 検診の受診歴
  • 内服薬、飲酒・喫煙習慣、妊娠の可能性
  • 体重減少の程度、食事量や水分摂取量の変化、排便習慣
  • 日常生活への影響(倦怠感、活動量の低下など)

また、視診・触診で異常な所見がないかを確認し、緊急性や追加検査の必要性を判断します。

重症度や緊急度の判断も同時に行うことが大切です。食事量の低下の程度や期間、飲水ができているかどうか、日々の生活活動への影響の程度、体重の減少の程度についても丁寧に聴取して栄養失調の程度や進行スピードを判定していきます。こうすることで、適切なタイミングで追加の検査や治療が行えるように治療計画を練ることができるわけです。

2. 血液検査・尿検査

食欲不振の原因の一覧には、糖尿病、腎不全、肝機能障害、ホルモン異常、妊娠 なども含まれます。

こういった疾患については、問診や通常の診察だけでは早期発見が困難とされていますが、血液検査・尿検査を同時に実施することで正確な評価が可能になります。

検査結果は即日分かることもありますが、一部の検査(特殊なホルモン検査・遺伝子検査など)は1~2週間かかることがあります。

検査の受け方のポイント

  • 総合病院 は幅広い検査が可能だが、混雑しやすい。
  • 診療所やクリニック でも一般的な検査は対応可能。初診で基本的な検査を受けてから、必要に応じて大きな病院へ紹介してもらうのが効率的。

 一般的に総合病院などの規模の大きい医療機関ほど自前で実施できる検査項目が多い傾向にありますが、特定の専門分野に特化している診療所ではその分野の検査項目については総合病院並みの検査体制を整備している場合もあります。

 問診や診察で特殊な検査が必要な場合や検査を急ぐ場合には早期の総合病院受診が勧められますが、一般的な検査を行ってその結果を待ってからでも問題ないケースでは診療所など、近所の医療機関で一通りの検査を行ってから総合病院受診を相談したほうが時間や費用面で有利になる場合もあります。

 総合病院はより混雑する傾向にありますので、待ち時間で患者同士の軋轢を生まないように、スケジューリングについて病院側と相談しながら進めるとよいことが多いです。

 自身の病状に合わせてその都度担当の先生と検査プランを相談していただくのが良いと思います。

3. 細菌培養検査

感染症が疑われる場合、細菌培養検査 を行います。

  • 喀痰培養(肺炎の疑い)
  • 尿培養(膀胱炎や腎盂腎炎の疑い)
  • 血液培養(敗血症や重篤な感染症の疑い)

感染の原因菌を特定することで、適切な抗生剤治療が可能になります。

肺炎が疑われる場合には、痰内部の膿や細菌を調べる喀痰培養が実施されますし、腎臓や膀胱、前立腺の感染が疑われる場合には、尿培養が選択されます。さらに、重篤な感染症では感染部位から血液内に細菌が流入してしまうリスクが生じるので血液培養が選択されます。

どの部位でどのような細菌が悪さをしているのかを詳しく調べながら治療方法や期間をしっかり設定して治療を進めていきます。

4. 内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)

消化器系の異常が疑われる場合、内視鏡検査 を実施します。

胃や十二指腸の異常が疑われる場合には、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)、大腸の異常が疑われる場合には下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)が推奨されます。

腹部症状のある方や、高齢でここ数年がん検診を受ける機会がなかった方では、悪性腫瘍の早期発見のために検討されます。

  • 上部消化管内視鏡(胃カメラ):胃炎・胃潰瘍・胃がんの可能性
  • 下部消化管内視鏡(大腸カメラ):大腸ポリープ・大腸がんの可能性

特に40歳以上で胃がん・大腸がん検診を受けたことがない方 は、早期発見のために検討するとよいでしょう。

5. 画像検査・生理機能検査

画像検査(レントゲン検査、超音波検査、CT、MRI検査)では、特定の臓器に異常な影やしこりがないか確認します。より詳しい評価を行いたい場合には造影剤を使用して撮影する場合もあります。

CTやMRIでは点滴で注入するタイプの造影剤が一般的です。点滴された造影剤は血流にのって全身に分布します。体の中に病変があればその部分に血流の異常が起こるはずで、CTやMRIを撮影した時に造影剤の分布が通常と異なっていないかを確認することで病変の検出力を向上させることができます。

  • レントゲン・超音波検査:手軽に受けられる検査
  • CT・MRI(造影剤使用あり):詳細な評価が可能

また、生理機能検査(心電図・呼吸機能検査・ホルター心電図)では、心臓や呼吸機能の異常をチェックします。

画像検査のような一時点の情報ではなく経時的な情報を追うことで各臓器が正常な機能を保っているかを確認する検査です。不整脈で行われるホルター心電図も生理検査に分類されます。

6. 核医学検査(PET検査・骨シンチグラフィー)

がんの転移や全身の状態を評価する場合、PET検査や骨シンチグラフィー を行うことがあります。

一部の健診施設では個人の希望に沿って自費検査として行われることもあります。ただし、健康診断としてPET検査を受けてもがんの発見率は低いため、検査費用の高さや放射線被ばくの懸念も考慮されて集団検診としては一般には推奨されてはいません。あくまでほかの検査との組み合わせの中で必要性を医師と相談してもらうのが大切だと思います。

まとめ:食欲不振を感じたら早めに受診を

本記事では、食欲不振の原因を特定するための検査方法について解説しました。

 ✅ まずは問診と身体診察で基本情報を整理

 ✅ 血液検査や尿検査で内臓機能やホルモン異常をチェック

 ✅ 感染症が疑われる場合は細菌培養検査

 ✅ 胃腸の異常が気になるなら内視鏡検査

 ✅ 必要に応じて画像検査やPET検査で詳細評価

「ただの疲れかも」と思って放置してしまうと、病気の発見が遅れる可能性もあります。食欲が落ちたと感じたら、早めに医療機関で相談しましょう。

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